前職では自動車の設計をしており、ワダエンジニアリングに入社してからは2年間、航空機の設計を担当していました。航空機は、自動車と比較すると開発サイクルが長いです。それは、1機100万点という部品数の多さもありますが、どんなことがあっても決して故障させないために求められる高い精度基準にも起因します。私は品質保証として、胴体、主翼、尾翼、骨組、パネルなどさまざまな部品の検査に使用する記録フォームを作成しています。20メートルもあり、機体の半分をも占めるスキン(外板)のような巨大な部品であっても、規格がとても厳しく、5/100mmの誤差も許されません。
現在、国産新型旅客機をメインに担当。記録フォームを作成するために、毎日、部品の設計図と向き合っています。部品1点につき、検査項目は500項目。図面から長さや表面の粗さなどの項目を抽出し、部品1点の記録フォームを作成するのに2〜3日はかかります。航空機は定期的なメンテナンスのために部品の改良、交換が行われますから、各部品が改定されるたびに記録フォームも改定していきます。とても地道な作業ですが、開発中のいろいろな図面が見られるのは楽しいです。また、自分の仕事を通じて、航空機の安全を支えているのだという責任の重さと使命感は常に感じています。