新卒で入社後、すぐに当時開発中だった国産旅客機プロジェクトに生産技術職として配属され、上長・同僚・現場の方などに支えられながら数年間、機体のすぐ側で生産技術者として様々な経験を積ませていただきました。航空機の3D図面や様々な資料を読み解き、実際に作業するための作業指示や必要な各種手配を実施するのが当時の主な仕事ですが、その中でも得意だったのは改善業務です。独学で学んだVBAやRPAなどを用いて、様々な作業プロセス改善を実施しました。その経験を買っていただき、プロジェクトの終了と共に自動車販売店の人事システム開発エンジニアに。使うシステムは3D-CADからフロントエンドのプログラミングツールへ、と、畑違いと言えば畑違いの業務でしたが、「モノづくり」をしているという意味ではそれほどやることに違いはないんだな、というのが配属変更時の正直な感想でした。要求を正しく理解し、それを製品へ正しく落とし込む。モノづくりってその積み重ねなんだなぁ、と。……まぁ、システム言語を一から学ぶのは大変でしたが(笑)
とはいえ、システムエンジニアとして「システム」の設計に携わることができたのは、大きな経験になりました。今は、航空機開発プラットフォームの検討チームの一員として、システム開発に「要求を出す側」として関わっていますが、要求の出し方・設計書の書き方・ルールなど、基本を知っているかどうかは大きなアドバンテージで、システムエンジニアとしての経験が大いに生きています。システム開発を担当しているときは、そんなことが役に立つなんて思いもしていませんでしたが……どこで何の経験が役に立つかなんて、やっているときはわからないものですね。今携わっているプラットフォームも、数年後の航空機開発の礎になるもの。今の努力は数年後の自分の役に立つはず。無駄になる経験なんてないんだから、今学べることを全力で。これが入社10年を経て、最近の私の座右の銘になっています。